既に旦那の不倫が露見している

数年前の年末のことです。仕事納めを終えて帰宅した夫が、1年間本当に疲れたから一人で気の向くまま旅に出たいと言いました。その年の夫は忙しい部署に配属され残業続きの日々でした。私は夫が一人でゆっくりしたいという気持ちが理解できたので、快く見送りました。「東京駅で行き先は決めるよ、大晦日には帰ってくるから」と言って夫は出かけました。玄関で夫を見送り、年末のバタバタの時期に家で一人ゆっくりできて嬉しいな、今年はちゃんとおせち料理を作って、帰ってきた夫に食べてもらおうなどと思いながらリビングに戻ったところ、何と夫がテーブルの上に携帯を忘れています。あら大変!と思って携帯を手に持った瞬間、着信音が鳴りました。

もう、着信音が鳴った瞬間に血の気が引きました。何て私はバカなんだと体中震えました。携帯に表示される文字を見るまでもなく、夫の不倫を確信した瞬間でした。

きっとすぐに携帯を忘れたことに気づいて戻ってくるに違いないと思って、携帯をテーブルに戻し、私は買物に出かけました。買物から戻ってくると、携帯は無くなっていました。

浮気や不倫がよくあることだとは頭では理解していましたが、自分の身に起こってみると皮膚が裏返ったようにゾクゾクしました。悲しくて身体の震えが止まりません。しかし冷静な自分もいました。こんな風に隠れて旅行したりするのってちょっとみじめだと思いました。私は夫が大好きでしたが、こんなことをする夫のことは心から嫌だと思いました。そして結局私もそういうことをされてしまう、その程度の人間なのだと自嘲気味に考えました。

大晦日、夫は帰ってきました。旅行の間、私から連絡することはありませんでした。もう夫のよそよそしさったら無かったです。

私は夫が離婚を切り出すだろうなと思い、自分からは何も言いませんでした。でもその時に備えて興信所に浮気調査を依頼して証拠の写真を入手していました。いつでも高額な慰謝料を旦那と浮気相手に請求する準備は出来ていたのです。そしてこれまで通りの生活を心がけました。辛く苦しい日々でした。夫が仕事に出かけている間は、よく一人で泣いていました。半年程たった頃から、夫がとても優しくなりました。あー、きっと相手と別れたのねと思いましたが、口には出しませんでした。あれから数年たって、今では以前と同じように仲の良い夫婦に戻っています。夫のことは今でも好きです。でも残念ながら、私の心には夫との間に見えない壁ができたままです。でもこれでいいと思っています。この心の壁は私に力をくれる大切なものです。